2024.01.9
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中古住宅購入の前に

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予算など様々な理由から、中古住宅を購入し、リノベーション(改修)して住むのも一般的になって来ました。

せっかくの前代からのストックですし、お国も潤沢に補助金を用意していますので、上手に家づくりを検討して行きたいですね。

中古住宅と言ってもピンからキリまで。当たり外れもありそうですし、土地の購入以上に悩むかも知れません。そこで不動産ではなくて建築の視点で3点のご提案です。

1,確認済証の確認

新築同様に、ある一定の改修規模になりますと「確認済証」が必要になってきます。出来れば、図面、構造計算書等も合わせて確認したい所です。とは言っても、ないのがほとんどでして、現代の建築士は本当に苦労しています笑。

昔は火事でも権利証だけは持って逃げろと言いました。今は権利証は失くしても問題ないですが、未だに確認済証はそうは行かないのが実情です。マイナンバーカードの様にデジタルが解決してくれるのを切に望みます。

2,耐震基準の確認

お国の法律「建築基準法」は地震や偽造や問題が出るたびに改正を繰り返して来ました。日本人の営みの結晶ですね。

特に木造の場合は、昭和56年6月以降に「確認済証」が交付された「新耐震基準」が1つのベースになっていまして、「一発目の震度6から7の地震に耐える」と定められています。

ただ、それ以降も法改正は繰り返されており、特に阪神淡路大震災を経験した後の平成12年の「2000年基準」が、より信頼性を高めました。その後も都度改正が繰り返されてますが、大きいのは「新耐震基準」と「2000年基準」の2つです。

ですので、昭和56年6月から平成12年6月までの住宅を狙うのが第一歩かな?と思います。それ以降は、築浅もあり新築との費用対効果が返って出てくるかな?と思います。

いわゆる昭和56年6月以前の「旧耐震」は足切りとして、検討外として良いかな?と思います。接合させる金物が無いですし、筋交も少なくスケルトンにまでさせないと難しいと思います。

(目的)第一条 この法律は、建築物の敷地、構造、設備及び用途に関する最低の基準を定めて、国民の生命、健康及び財産の保護を図り、もつて公共の福祉の増進に資することを目的とする。

建築基準法

余談ですが建築基準法は、一番最初の条文の通り、構造も最低の基準を定めているだけですので、大きな地震も倒壊は担保してくれますが、短期間に何発も耐えるですとか、被災時の使用は担保してくれません。

そこで平成12年に品確法が作られて、構造や断熱など様々なアプローチを建築基準法の基準をを等級1として、構造も等級3まで用意されていて、等級3は「耐えるどころか、そのまま住めます」と定められています。

3,外壁通気工法の確認

外壁通気工法とは、外壁材と木造の間に空気(通気)層をかませて外壁から侵入した雨水や結露水を木造に侵入する前に屋外に逃がす工法です。

この工法はとても画期的でした。外壁材としてサイディングが普及する前の木造に直接塗るモルタルなどの外壁材は、雨水や結露水が逃げずに木造に留まり、40年もすると腐って消えているという経験があります。

木造に防水紙をかまして直接塗ったモルタル外壁
室内水場の湿気、室温に当たった外気の結露水、雨水の逃げ場がないとやがれ腐れ消える

    さらに、タイベックシートに代表される様な通気層の手前に透湿防水シートがあれば尚良いですし、薄くてもボード上の断熱材が外張りされていると、雨水も結露水も防げてほぼ無傷の木造があって驚いた事があります。

    小屋解体風景。梁の次に断熱材が張ってあります。タイベックもなく、その外側はボロボロですが内側の梁は良い状態。
    土台も無傷。性能や厚さもさることながら、温度が一旦止まるのが大事なのだと思います。

    今は、UA値やC値など性能は数値化されていますが「とにかく断熱材やタイベックを張っとく」と言うのがいかに大事かを先人に教えられました。

    あとがき

    如何でしたでしょうか?築年数も解像度を上げて検討すると天秤のかけ方も変わって来ると思います。参考として下さい。

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