2022.04.9
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ウッドショックから学ぶこと

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「ウッドショック」から1年が経ちました。1年前は今頃は価格も落ち着いてるだろうと楽観していましたが、ウッドどころか鉄やら設備やら範囲は留まる事を知らず、価格もさる事ながら供給が今なお不安定な状態です。

日本は森林資源が豊富であるものの、木材をあまり生産していない珍しい国でもある。森林資源が豊富な国の多くは、森林蓄積量を減らさずに生産力を維持し、蓄積量に対して多くの木材を生産している

脱炭素の本命 木材ビジネスは期待にどう応えるか:日本経済新聞

ウッドショックは外国の木材の需給や原油高(運送費)から発端と言われていますが、そもそも日本の国土の3分の2が森林で、その6割が人口林です。戦後に植林した木はちょうど使い時を迎えました。まさにウッドショックのために、50年前に植えたというほどのタイミングです。

伐採した木材は大切に使い、伐採後は苗木を植えて再造林する。そして、再び森林を育てる。こうした森林資源の循環利用が求められている。これはSDGs(持続可能な開発目標)の達成にも貢献する。

脱炭素の本命 木材ビジネスは期待にどう応えるか:日本経済新聞

しかしながらその木材を伐採もせず循環も出来ず、ただ木材価格が高騰するのを眺めてるだけで、ガソリンの様に国の補助も今の所期待できません。理由の一つに、安い輸入材に頼り慣れてしまい、建材としてではなくて薪用でしか国産が売れず、それでは採算が合わずに、荒れた植林をそのままにしているようです。

供給不足で木材価格が暴騰する「ウッドショック」で、輸入材に依存しすぎるリスクの大きさは確実に露呈した。木材の調達に多様性を持たせないと、今後も日本は輸入材に翻弄され続けて新たなウッドショックが発生してしまうだろう。

脱炭素の本命 木材ビジネスは期待にどう応えるか:日本経済新聞

このウッドショックは思ったより根が深そうです。一度とまった歯車をもう一度循環させるには大変でしょうが、この重たい歯車を小さい歯車を咬ませて咬ませて動かすしか未来はありません。地産地消、地域密着が工務店の生きる道だと信じています。

「その第一歩は、国の支援だ。補助金を注ぎ込みながら、汎用性のある部材や工法などで普及を後押ししてきた。一定程度広まると規制緩和に踏み切り、構造材の現し仕上げ(柱や梁など構造材が見える状態で仕上げる方法)に道を開き、木造の価値を分かりやすく示せるようにした」

木造建築でSDGs 先進フィンランドと英国に学ぶ

フィンランドは初めはガンガン林業に補助金を投入し、木造建物の規制も緩和して、循環を促して軌道に乗っているようです。日本もそう言った道を歩み始めたところなのだと思います。

木材は本来、森林に木を植え、育て、伐採し、搬出、製材、乾燥、加工、流通と、長期にわたる計画的な生産体制が必要になるものだ。伐採した後も再び苗を植えなければ持続可能にはならない。木材輸出国は当然のように森林の蓄積量を減らさずに木材を生産し、森林資源を維持している。

脱炭素の本命 木材ビジネスは期待にどう応えるか:日本経済新聞 

同業に聞くと「帰ってコンクリート造の方が安いのではないか?」なんて自虐が出てくるほどですが、今も家を建てたいというお施主さんはいます。何とか知識や技術(簡素な架構、シンプルな間取り、素直なプロポーション、効率的な見積、などなど)を総動員して、お施主さんには「建てて良かった」と言ってもらえるように日々精進しかありません。

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